新型コロナウイルスの流行は，私たちの生活に大きな影響を与えています。
仕事の面ではテレワーク，学生・生徒さんたちの遠隔授業，移動の制限，そしてマスクとソーシャルディスタンスをはじめとした「新しい生活様式」。
この状況がいつまで続くのか。以前の生活は戻ってくるのか。会いたい人に会える日は再びやってくるのか。
…そんなことを考えていると，なんだか祈りにも似た気持ちが湧き上がってきます。
そんな中，疫病退散を願って，JR品川駅の新幹線構内に奈良薬師寺の御本尊・薬師三尊像の特大パネルが飾られるということを聞きました。これはぜひお会いしたい。
…ということで，見に行ってきました。
薬師三尊像とご対面
上野での用事を済ませ，その足で品川に向かいました。このご時世，さすがの品川駅もそれほど混雑していません。新幹線改札を通るために入場券を買い，構内に入ると人がいっそうまばらになりました。
駅員さんに教えてもらった方へ歩いていくと，そのパネルはありました。手前に写っている案内板から，その大きさがわかるでしょうか。
人々の病気を癒し，無病息災をもたらしてくれる薬師如来（正式名，薬師瑠璃光如来）。左右に月光菩薩・日光菩薩を随えていらっしゃいます。平面のパネルだけど，やっぱり存在感があって，癒されます。
無病息災。
国民の無病息災を祈願し
創建された奈良，薬師寺。
本尊の薬師如来像は
医王如来とも呼ばれ，
この世のすべての人の
心身の健康を守る仏様です。新型コロナウイルス感染症の流行により
生活も大きく変わりました。
安心して暮らせる日が
はやく戻りますように。
わたしたちは祈っています。切なる願いは いまここに。
奈良薬師寺
薬師三尊像
人が少ないとはいえ，周りの目がちょっと恥ずかしかったので，一瞬だけ小さく手を合わせました (^ ^;)
御本尊の薬師如来
薬師寺御本尊の薬師如来は国宝に指定されています。左手に薬壺を持っていないのは薬師如来像としては珍しいですが，これは古い時代の仏像の特徴のようです。実際，薬師寺の御本尊は白鳳時代，持統天皇の御世 697年に開眼法要が行われたという記録が日本書紀に残っているとのことです。ロマンですね。
薬壺を持っていなくとも，その優しい表情で，この仏様が私たちの心身を癒してくれることがよく感じられます。
この写真はパネルを撮影したものですが，パネルの前に立つだけでも，実際の仏像を前にした時のような存在感を感じてしまいました。
仏様の手には，指の間に水かきのようなものがあります。これは（まんもうそう）といい，人びとをもれなく救うためのものだそうです。
月光菩薩と日光菩薩
そして薬師如来の左右にいらっしゃる月光菩薩と日光菩薩。流れるような体の曲線が美しい，優しげな姿です。両菩薩は，陽の光，月の光が人々を区別なく照らすように，私たちを見守っている仏さまです。
両菩薩像のお顔もアップで。
もちろん本当は奈良に行き，薬師寺を訪ねて本物の薬師如来像にお会いできたらそれが一番です。でもそれが叶わない今，この場所に特大パネルを飾ってくれた関係者の方々に感謝です。
東京都民で不安を抱えている人は少なくないと思いますが，このパネルの前を通る人は誰もが，一瞬でもホッとした気持ちになるんじゃないでしょうか。
JRグッジョブ！
奈良はあこがれの場所
ずっと東日本に住んできた僕にとって，奈良は憧れの場所です。 古い時代の歴史のロマン’を感じられるし，県南部は山深く，きれいな星空を見ることができそうです。
いつか2週間くらいかけて奈良を旅してみたいと思っています。はじめに法隆寺や薬師寺，唐招提寺をはじめとした飛鳥時代〜奈良時代の息吹を感じ，その後県南部に滞在して星空を満喫。そして最後は和歌山の海岸に抜けて太平洋を眺めてみたい。
これは僕の「行きたいとこリスト」の上位に入れてあります。
おわりに
こういう日々ですができるだけ落ち着いて毎日を送りたいと思っています。それでも，かつての日常が戻ってくるのかという不安が全くないといえば嘘になります。8月に入りましたが，どんな夏になるんだろう？ってね。
そんな中，薬師三尊像に会えて，とてもうれしかったです。短い時間でしたが癒されました。
品川駅にこのパネルが設置されたのは6月下旬ですが，約半年間の展示になるとのことです。外出しづらい今日この頃ですが，秋までは仏様がいらっしゃるので，近くに用事があった時など，ぜひ訪ねてみることをお勧めします。
無病息災。切なる願いは今ここに。
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