去年の夏に,南アルプス南部の聖岳-赤石岳-悪沢岳を3泊4日で縦走してきました。ずっと天気が良くて最高でした。
下山後 ぼくの instagram に,静岡県環境局自然保護課の方が「南アルプスデジタル写真・動画コンクールをやってるよー♪」というコメントをくださいました。
それで何枚か写真を応募してみたところ,なんとびっくり2枚が入賞!記念品までいただいてしまいました。
そしてこの間,静岡で表彰式と関連のシンポジウムがあったので,参加してきました!
入選はとてもうれしかったし,シンポジウムも面白かったです (^◡^)。
この2枚で賞をいただきました
コンクールで賞をいただいた写真はこの2枚 ↓ です。
中岳避難小屋と夏の星空
まずこちら「中岳避難小屋と夏の星空」。こちら「入選」となりました!
縦走最終日の明け方に撮った写真。お世話になった避難小屋と夏の天の川。
この日はまだ暗いうちに歩き始めて悪沢岳に登り,一気に椹島まで下山したっけ。悪沢岳で迎えたご来光は素晴らしかったな。
[審査員コメント]
夜中に,こんなにもきれいに星空を撮るにはさぞかし忍耐が要ったと思います。夏の天の川が力強いです。山小屋に灯がともり,温かみもあり雰囲気のある作品だと思いました
素敵な小屋番さん,まだ暗いうちに急いで食べた朝ごはん。ヘッドランプを頼りに辿った悪沢岳への稜線。いろんな光景が今もありありと目に浮かびます。
荒川三山へ向かう・赤石岳より
そしてもう一枚,「荒川三山へ向かう・赤石岳より」。こちらは「協賛者特別賞」の受賞となりました。協賛してくださった企業はいくつかあったのですが,僕がいただいたのは「(株)特種東海フォレスト特別賞」。
特種東海フォレストさんはこの山域の森を守り,山小屋の運営を行っている会社。ここを歩く際には特別にお世話になる会社でもあります。そんな東海フォレストさんの賞をいただいて,とりわけうれしいです。
縦走3日目。朝のうちに赤石岳を越えて,荒川三山へ向かいます。行く手に広がるのは南アルプスの累々たる山並み。その巨大なスケールに圧倒されるとともに,自分がアースと一体化していくような不思議な感覚。本当に幸せな時間でした。
[協賛者コメント]
南アルプス南部の山々のスケール感と稜線をゆく登山者。夏山の楽しさがよく表現されている作品です
そして何と何と!特種東海フォレストさんから,「この写真を来夏の山小屋予約サイトに掲載したい」とのお話をいただきました。感激です!
これね,自撮り写真で,写っているのは僕自身なんですよ。大好きな山域の山小屋サイトに僕の姿が掲載されちゃうの!?光栄すぎるでしょ!…いやあ,モデルデビューかぁ〜
記念品として東海フォレストの山小屋のTシャツもいただきました。椹島ロッジTシャツですね。これを着て,また南アルプスを歩きたいです。
入賞作品を取りまとめた作品集も作成されました
ところでこのコンテストの入賞作品をとりまとめた作品集が作成され,つい先ほど手元に届きました。とても素敵な写真集に仕上がっており,感激しています。
南アルプスと,その周りのオクシズ。その魅力が発信される解説が載っているのもいいですね。非売品なのが残念なくらいです。ちなみに表紙を飾っている写真は,特選の「川面の夜明け」という作品です (I さん撮影)。
入賞作品は,こちらのVRサイト ↑ でも見ることができます。写真の解像度は粗いけどね(アクセスできるのは6月いっぱいまでみたい)。
表彰式に参加しました
会場の静岡県コンベンションアーツセンター「グランシップ」へ
さて,3月8日土曜日,静岡でフォトコンの表彰式が行われました。「特選」や「準特選」の方は登壇して一言コメントしたりしましたが,自分はそんなことはなく。
でも参加しようかな (^◡^)。同時に開催される南アルプスのシンポジウムも面白そうだし,ついでに静岡の山に登ってくるのもいいかな?と思いましてね(山に登ってきた話は別記事で)。
会場の静岡県コンベンションアーツセンター「グランシップ」はとても立派な建物でびっくり。
会場には,受賞された方々の作品が大伸ばしで展示されていました。さすがにどれも素晴らしい写真ばかりです。はえ〜。
その中に混じって,僕の写真(避難小屋と星空の方)も飾られています。ちょっぴり照れくさい。でもうれしい (^ ^;)。
ところでこれらの写真を見ながら思ったんですけどね。プリントする時の色合わせとかどうやってるんだろう?ヨ◯バシカメラなどで自分の写真をプリントアウトすることがありますが,PCのモニタで見た時とイメージが違って「ん?」てなることが多いんですよね。
この日展示されていた自分の写真は,色合いや明るさが,とても自然に再現されていて「納得」という感じでした。…うん,この辺りはまだ修行が必要だな。
表彰式と審査委員長の講評
会場に入るとステージに花束。うわあ,これは思ってたよりも立派だぞ (^ ^;)。
上位入賞者はステージに上がって賞状の授与。そしてそのあと,審査委員長の西田省三さん(山岳写真家)の講評がありました。
いくつかの写真・動画をスクリーンに映してコメントがあり*1,「なぜその写真が受賞対象になったのか」を,コンテストの趣旨と対応づけながらお話されていました。
印象に残った話が一つ。井川湖をそのままに撮った感じの写真が題材として取り上げられましてね。
「この写真,普通だなと思うでしょ?僕もそう思います。でも『写真は引き算』てよく言いますけどね。そう言いながら構図を整理していくと,その場の空気が伝わらなくなることもあるんです。『"構図としてはきれい" だけど,その場所の魅力がなんだか伝わらない』みたいなね。この写真は”普通”なんだけど,それがいいんです」。
なるほどなあー。格好つけないで「感じたままに,自然体で撮るのが大切」ってことかな。
*1 残念ながら僕の写真については取り上げられなかったけどね
実は登れる南アルプス
椹島はそんなに遠くない!?…いやいやいや (^ ^;)
続いて西田さんの講演です。タイトルは「実は登れる南アルプス」。アプローチが大変で登るためのハードルが高い南アルプス。でも結構登れるんだよ!っていうお話です。
東京を起点に考えた場合,北アルプスの登山基地·上高地までの時間と南アルプスのそれ·椹島までの所要時間は,それぞれ4時間半と5時間半。そんなに変わらないよ!って。
いやいやいや,その1時間の差が何を意味するかって考えると,ねえ (^ ^;)。でもそこが魅力なんですけどね。
頂上を目指さない登り方 & オススメの撮影スポット
続いて「頂上を目指さない登り方 & オススメの撮影スポット」についてもお話がありました。赤石岳や悪沢岳に登るのは大変!でもそこまで頑張らなくても,雄大な風景に出会える撮影スポットがあるよと。
その1・千枚岳:いや,結構登ってますね(汗)。ただ千枚岳から上,悪沢岳への道は岩場もあって大変だけど,ここまでなら歩きやすいってことですかね。
千枚岳は赤石岳の絶好の展望台。確かにここから見る赤石岳はカッコよかったなあ。悪沢岳は近すぎてちょっと寸胴に写っちゃうけど,とのお話でした。
その2・富士見平:ここも結構登りますね。赤石小屋から少し上がった,標高約2700 mの小ピークです。ここからは,千枚岳とは逆に,悪沢岳がカッコよく見えるようです。
椹島から赤石岳に向かう「大倉尾根」は急登なので,ここまできたら赤石に登っちゃってもあんまり変わらないような気がしますが (^ ^;)。
その3・鳥森山:えっ,それどこ?ってなったんですが,椹島ロッジの南側にある低山だそうです。標高1571 m,椹島から1時間半くらいで登れるみたい。
ここからは西側の赤石岳や荒川三山がよく見えるようですね。逆に,東側は木が茂っていてあんまり展望は良くないみたい。こっちの展望が開けていたら,笊ヶ岳も見えるんだけどなあ…ってお話しされていました。
西田さんのお話は面白く(しかもイケメン!),とても楽しく聞くことができました。「南アルプスにもっと人を呼ぶにはどうしたらいいと思いますか?」という質問には,「上高地がなぜあんなに人気なのかというと,河童橋の存在が大きいような気がする。畑薙から椹島の間に赤石岳がきれいに見えるところがあるので,そこになんちゃって吊り橋をかけたらどうかなあ」なんて答えて,笑いをとっていました。
他にも「登山が大変になるのは,荷物を持ちすぎる人が多いからなんですよね」とのお話も。これは大いに同感。西田さんは撮影機材を持つときは 100 L のザックを担ぐけど(スゴい),カメラなしの小屋泊なら,26 L ザックで行くとのことです。
3泊4日のテント泊縦走を48 Lザックで歩いた僕は,まあまあかな。なーんてね。
おわりに
いわゆる「フォトコン」に入賞したのは初めてだったこともあり,うれしいとともに,ちょっとドキドキしました(笑)。
会場では,同時に南アルプスの関連シンポジウムも行われました。こちらも面白かったんですが,その話は別記事で。
「これからいろんなフォトコンに応募してみようかなあ」なんて思う今日この頃です。…だっていろいろ貰えるんだもん(笑)。
昨年夏の南アルプス縦走(聖-赤石-悪沢)の記事はこちらから(#1〜#5 まであります)
南アルプスを含めた,山域別の登山記録はこちら
こちらも見てね