先日 Sony から新しいフルサイズミラーレスカメラ「α7C」が発表されましたね。素晴らしい!僕がこれを見て思ったことは「おっ,これいいな!」ということと,「いやこれは…ちょっと…困ったナ…(^^;)」ということです。
この記事では,同じソニーのAPS-Cミラーレスカメラ α6400のユーザーである僕が,なぜこんな風に思ったのかを書いてみようと思います。その話と合わせて,僕がカメラをどのように使っているかということもちょっとだけ。
α7C が発表されました!コンパクトで素晴らしい
軽量・コンパクトなボディー
ソニーが新しいフルサイズミラーレスカメラ,α7Cを発表しました。その特徴は,何と言ってもコンパクトなこと!(名前からして Compact の C を冠していますからね)
軍艦部の出っ張りがない「レンジファインダースタイル」で,APS-Cのα6600と比較しても縦・横それぞれ 4 mm 程度しか大きくなっていません。これはすごいな。
僕がα6400を買って,最初に箱から出した時「小さっ!」って思ったんですが,α7Cを「フルサイズだぞ,フルサイズだぞ〜」と思いながら箱から出したら「むちゃくちゃ小さっ!」ってなりそうですね (^ ^;)
重さも α6600 の 503 g に対して,α7Cは 509 g(バッテリー,メモリーカード込みで)…って,ほとんど変わりないじゃん!ちなみに僕の α6400(403 g)と比べても,100 gくらいしか違いません。
このカメラ,一言で言うなら「α6000系の筐体にフルサイズセンサーを入れました!」ってことですよね。
繰り返しになるけど,これはすごいな。
中身はほぼ α7III ?
肝心の性能ですが,「中身はほぼα7III」と思ってよいでしょうか。α7III と同じ2400万画素の裏面照射型センサーということで,個人的に気になる高感度性能はバッチリ。このコンパクトな筐体に,ボディ内手ぶれ補正まで組み込まれているのは驚きです(手ぶれ補正なしにしたらもっと軽く小さくなったのかな?という興味はあります)。カスタムボタンが少ないなど,コンパクト化に伴って簡素化された部分もあるようですが。
AF周りは瞳フォーカスはもちろん,リアルタイムトラッキングが搭載されている点はα7III 以上かもしれませんね。
まあ,この辺りはいろんな方が言及されているでしょうから,この辺で。動画についてもあまり詳しくないので,詳しくは触れないでおきますが,バリアングル液晶は動画撮影の際に便利そうですね。
性能面でサプライズがないという指摘をするむきもあるようですが,この性能をコンパクトなボディに詰め込んだのは革新的なことに違いありません。
α6400ユーザーの僕から見たα7C
ではα6400ユーザーの僕の目に,α7Cはどう映ったでしょうか。
…それを話す前に,僕がα6400をどんな風に使っているかに触れておきたいと思います。
僕がカメラ(α6400)をどんな風に使っているのか
僕がカメラで何を撮っているのかというと
- 登山の時に持っていって山の風景を撮る
- 同じく登山の時に,山の上で星空を撮る
- 散歩の時にバッグに忍ばせておいて,きれいな花や景色があったら撮る
- 家族の写真を撮る
という感じでしょうか。特に2番目,「山で星」が一番大切な目的かな。
そしてこれらの目的に,軽くてコンパクトなα6400はぴったりなのです。登山の時には,荷物は少しも小さく軽くしたいですからね。「軽いは正義」…山の上で星を撮るとなると,他に三脚や赤道儀も担がなければならないので尚更です。
散歩カメラとしても,コンパクトで軍艦部の出っ張りがないα6400は,持ち運びしやすいのでとても良いです。いつでもカメラをカバンに入れて持って歩けます。「あ,いいな」と思っても,その時カメラを持っていなければ撮影できませんからね。
家族を撮る時にも「さりげなく」撮れるのでいいなと感じています。
…じゃあ新しいα7Cは?って話に戻ります。
どうして「いやちょっと困ったナ…」なのか
星の撮影に関して
僕は今まで星空をきれいに写すには,APS-C機+赤道儀で追尾撮影 > フルサイズ機で固定撮影と思ってきました(実際そうだと思います)。フルサイズ機の方が高感度に強いけど,追尾撮影ならiso感度をあまり上げずに撮影できるし,赤道儀を使って多数枚スタック(加算平均コンポジット)をするとさらにノイズを減らせます。その上長時間露光で暗い星や天の川の淡いところまで写し出せますからね。
フルサイズ機+赤道儀ならもっといいじゃないかって? 全くその通りなんですが,ガッチリした大型の赤道儀ならともかく,山で使うようなポータブル赤道儀に重い機材を載せると,バランスをとるのにけっこう気を使うんですよ(特に僕が使っている自作の赤道儀だと (^ ^;))。また,あまり重いとモーターの駆動力が足りるかな?という不安も出てきます。
でもα7Cだったら軽いから,それほど苦労なく赤道儀に乗せることができるかもしれません。
重さをちゃんと比べてみましょうか。
僕が星景写真を撮る時によく使う α6400+SAMYANG 12 mm F2(換算18 mm)の組み合わせだと
α6400ボディ 403 g + レンズ 245 g 合わせて 648 g
これに対して
α7Cに 18 mm単焦点レンズとして SAMYANG の AF 18 mm F2.8 FE を合わせると
α7Cボディ 509 g + レンズ 145 g (!) 合わせて 654 g
変わらないじゃん!
まあ,レンズの開放F値が一段違いますが…iso感度を一段変えて,α6400の iso 3200 と α7Cの iso6400 だとどっちがノイズが少ないだろう。センサーが大きいだけでなく裏面照射型だということを考えると,後者のような気がしますね。
うーん…。
もうちょっと比べてみます。
今は持っていないけど,星撮りに良さそうだなと思っているシグマの16 mm F1.4 DC DN(換算24 mm)とα6400の組み合わせだと
α6400ボディ 403 g + レンズ 405 g 合わせて 808 g
一方,
α7Cに 24 mm 単焦点レンズとして タムロン の 24 mm F2.8 Di III (model F051) を合わせると
α7Cボディ 509 g + レンズ 215 g 合わせて 724 g
フルサイズの方が軽いだと!?
まあこの比較は,開放F値が2段違うから安直に過ぎるかな?
それではちょっと焦点距離が違うけど,Sony純正の FE 20 mm F1.8 G をα7Cにつけると
α7Cボディ 509 g + レンズ 373 g 合わせて 882 g
α6400 + シグマ16 mm より少し重いくらいですね。
そんなわけで,重さの比較だけであれこれ言い過ぎるのもアレですが,α7Cは赤道儀に乗せて星を撮る時に重くて困るということは(レンズを選べば*1)それほどなくて,かなり良さそうです。
*1 星を撮るには FE 12–24 mm F2.8 GM とか シグマ 14 mm F1.8 なんか最高に決まっていますが,重くて大きいので,僕の赤道儀に乗せるのは無理です
昼間の撮影にはどう?
山の景色を撮るにも,α7Cは良さそうです。α7III ゆずりのセンサーですから描写はバッチリでしょうね。
ただ,いま僕が山で昼間の撮影に使っている標準ズームレンズ Vario-Tessar 16–70 F4 ZA (SEL1670Z) + α6400だと,重さが(ボディ 403 g + レンズ 308 g)711 g ですが,α7Cに同じ画角の FE 24–105 mm F4 G を合わせると(ボディ 509 g + レンズ 663 g)で重さが1 kg越え(1172 g)となります。やっぱりフルサイズ,レンズによっては重くなっちゃいますね。
これは登山の時にちょっとツライかな。一緒に発表されたキットレンズ 28–60 mm F4–5.6 は軽いけど,画角の面でちょっと心もとないし。
もちろんフルサイズのカメラを山に持って行っている人がたくさんいるのは知っていますが,他に赤道儀などの荷物もあるので…。
逆に言えば,α7Cの懸念はそこだけとも言えますね。筋トレすればいいのか!? (°д°;)
というわけでですね,僕のカメラの使い方に,α7Cはなかなかしっくりくるんですよね…。
そんなわけで「こまったこまった」…
そんなわけでですね,すっごくいいカメラが発表されたと思うんですが,僕としてはα7Cの発表ですっごく困ってしまうことが一つあるんですよ。
それは…「僕がフルサイズを買わないのはお金がないからじゃない!日常に,登山に,そして星の撮影に,軽量コンパクトなカメラを使いたいからなんだ!」という言い訳(?)が使えなくなってしまうことです。
いやあ,これはこまったこまった (^ ^;)
まとめ
そんなこんなで,α7Cの発表を受けて,若干動揺しているところです(汗)
ソニーさんのα7Cのサイトには「もっと自由なフルサイズへ」というキャッチフレーズが載っています。
これは手軽に持ち運べるサイズのカメラで,もっとカジュアルにフルサイズを使おう!というメッセージなのかもしれませんが,「山で星」みたいにこのコンパクトさが生きるマニアックな場面もあるんですね。それも含めての「もっと自由に」なのかもしれませんが。
動揺を抑えつつ,まだしばらくはα6400を使い続けると思いますが…ソニーさん,罪作りやで!(笑)
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