先週末,奥多摩の雲取山に登ってきました。三条の湯から入って鴨沢へ降りるルートです。
中腹は紅葉が期待以上にきれいで,癒される山歩きとなりました。
晩秋は雲取山へ
毎年晩秋には雲取山に登っています。雲取山は東京都の最高峰で,標高2017 m。
落ち葉を踏んで歩き,地元の山に登って山ごはんを食べ,お酒を飲んでのんびり。こうして,一応その年のテント泊山行の締めにしてる感じ。去年,一昨年はコロナ禍で行けなかったんですけどね。…奥多摩小屋がなくなったのも,ここ2年足が遠のいた理由かも。
今回は三条の湯から入って鴨沢へ抜けるルートで行きます。三条の湯から水無尾根を登るルートは初めてです。
後山林道を歩いて三条の湯へ
1日目は山梨県丹波山村の「お祭」から後山林道をたどって,三条の湯まで3時間半の道のりです。行程が短いので朝はゆっくり,奥多摩駅を9時30分発のバスで出発しました。40分くらいバスに揺られて「お祭」で下車。
ここお祭は,かつて平将門が敗走する途中「ここまでくれば追手も来ないだろう」と酒宴を催したとされる場所です。奥多摩から都県境を越えて,丹波山村に入って間もないところ。
バス停から西へ歩くと,すぐに後山林道への入り口が現れます。ここから林道を10 km歩くことになります。林道歩きはちょっと退屈ですが,紅葉を眺めながらのんびりと歩くことにしましょう。
今年は紅葉が早いと聞いていたのでどうかな?と思っていたのですが,林道の両側の紅葉はまだまだきれいで楽しめました。
道は緩やかな登り。じっくりと高度を上げていきます。山懐深く入っていくと,紅葉はますます艶やかになっていきます。おおー,これは期待以上だ (^◡^)
落ち葉をサクサクと踏みしめながら,普段のいろんなわだかまりを流し去るように歩きます。
標高が上がると,だんだん樹相も変わってきます。白い木肌はカンバ類かな。向こう側の山肌の紅葉とのコントラストがきれい。
途中で三脚を立てて写真を撮ったりしながらのんびりのんびり歩いて,ちょうど3時間後に林道終点に到着。ここから登山道に入ります。
登山道もよく整備されていて歩きやすい (^◡^) 沢沿いの道を歩くこと30分,14時ちょうどに三条の湯に到着しました。標高1100 m。適度なハイキング程度,来やすい場所ですね。
三条の湯にて
ここ三条の湯は,豊かな沢の水を沸かしたお風呂のついた山小屋。小屋泊だけではなくて,テント泊の登山者も,申し込めば入浴することができます(1000円)。
紅葉の山に囲まれてお風呂に入るのはいかにも気持ちよさそうですが,湯冷めしそうなので今回は入浴しないでおきました。もう少し暖かい季節に来てお風呂に入ってみたいですね。またはこちら側に下山して入浴するのもいいなあ。
テントは沢の流れのそば。ここまで行動食で繋ぎながら歩いてきたので,遅めの昼食にします。
最近は山でいかにしてタンパク質を取るか,いろいろ試しています。今回は近所のスーパーの唐揚げを持ってきました。担ぎ上げたお酒を飲みながら,はぁ〜まったり。
飲んだら眠くなります (^ω^) 多めに持ってきた防寒具を着込んで,17時半にはシュラフに入りました。zzz...。
22時頃,お腹が空いて目が覚めたので,ごはんを炊いて食べてまた寝ました (^ ^;)
予報では,夜の雲取山には雲がかかり,23時頃に雨も降るということで(実際強めの雨が,パラパラとテントを叩きました),星空撮影の準備はしてきていません。たくさん寝ることにします。
水無尾根を登る
AM3:00。目覚ましがなりましたが「うーん,まだ眠〜い」。たくさん寝たのに,まあ,こういう日もあるよね。目覚ましを4時半にセットし直してまた寝ます。
4時半。もぞもぞと起き出しました。結局,トータルで10時間くらい寝たんじゃないかな。山でこんなに寝たのは初めてかも。
シュラフをたたみ,コーヒーを飲んだら妙に美味しくて,もう一杯。朝ごはんを食べながらまたコーヒーを一杯。のんびりしすぎぃ!
まだ暗い中,雨で濡れたテントを畳むのがなんだか億劫だったり…。うん,こういう日もあるよね (^ ^;)
結局三条の湯を出て登り始めたのは7時になりました。もうヘッドランプをつける必要もない時間。落ち葉を踏みしめながら,歩き始めます。
山の中腹はまだまだ紅葉がきれい。こんな森を登っていくのは楽しーい!(前後に人がいないのをいいことに,三脚を立てて自撮りしています)
水無尾根の登山道は概ね歩きやすいですが,登山道崩壊の影響で,一部地形図と異なる場所があります。道はしっかりしているので迷うことはないと思いますが,尾根を乗越して一旦下り,また登り返すところがあるので,標準CTよりも20分程度余計に時間がかかるかもしれません(標高差で50 mくらい下って,登り返します)。
途中,主稜線が見えるところも。見えているのは「三ツ山」あたりでしょうか。奥秩父主脈の中で,この区間(雲取山〜飛龍山)はまだ未踏なんですよね。
こうしてみると,山の中腹は紅葉していて,稜線はすでに晩秋の装いになっていることがよくわかります。この辺り,シャクナゲが茂っているので,初夏は花がきれいかもね。
道の両側は相変わらず紅葉が素晴らしい。写真を撮ったりあたりを眺めたり…なかなか足が進みません (^ ^;)
それでもやがて青空が近くに見えるようになり,「稜線が近いな」ということが感じられるようになってきました。
そして三条の湯を出てから4時間半(時間かけすぎぃ!),11時35分に主稜線との合流点,三条ダルミに着きました!
三条ダルミから雲取山へ
ここで一気に視界がひらけ,南側にはフジッサーン! /^o^\
雲を従えてカッコいいです。
ここ三条ダルミから左へ進むと奥秩父主脈縦走路。唐松尾山,笠取山,雁坂嶺,甲武信ヶ岳,国師ヶ岳,金峰山と続く長大な稜線が,長野県まで達しています。一方,ここから右へ進むと雲取山です。今回は右へ。
歩き始める前に一休みしてパンとチーズをかじりますが,富士山にはみるみるうちに雲がかかってきました。
三条ダルミから雲取山への登りはかなりの急登ですが,一ヶ月前の八ヶ岳に比べるとかなり楽に感じました。標高がそれほど高くないからか,ゆっくり歩いたからかどっちかな?
11時40分,雲取山到着!3年ぶりくらいの山頂は,なんだか懐かしく感じました。
雲取山頂の景色といえば,これが定番ですかね。東へと伸びる石尾根。
ちょうど手が届きそうなところに雲がかかって,まさに雲取山,なんつって。ここでもお茶を沸かして一休み。
雲取山からブナ坂へ,石尾根を歩く
さて,ここまで本当にのんびり来ました。そろそろ下山します。12時10分に山頂を出発。
雲取山から東へ続く石尾根は,いつも明るい雰囲気のプロムナード。晴れていれば南に富士山が見えますが,雲に隠れちゃいました。でもカラマツがオレンジ色にもえて,メルヘンチックです。向こう見えているのは七ツ石山。
奥多摩の雰囲気を楽しみながら,小雲取山,ヨモギの頭を過ぎ,旧奥多摩小屋跡をすぎると,久しぶりの再会,ダンシングツリー♪ 今日も元気に踊っているようです。
ダンシングツリーの向こうには,奥秩父主脈の飛龍山が見えていますね。飛龍山には以前笠取山方面から縦走したことがありますが,いつか雲取山側からも歩いてみたいと思っています。
さらに下っていくと,もうすぐブナ坂。七ツ石山との鞍部になります。
下山します
13時30分,ブナ坂に着きました。ここで当初の予定では七ツ石山を往復し,山頂近くにある七ツ石神社のお犬様にお参りしてこようと思っていました。
でもちょっと時間が微妙ですね。下山したあと鴨沢からバスに乗りますが,その時間は16時33分。七ツ石神社を往復してくると間に合わない可能性があります(18時40分のバスもありますが,明るいうちにバスに乗りたい…)。それで後ろ髪を引かれながらもここから下山することにします。行動食を口にしてから鴨沢へ向かう「巻き道」へ。
この道も秋色の森が気持ちいい (^◡^)
道はやがて七ツ石小屋へ向かう「上の巻き道」と鴨沢への近道となる「下の巻き道」に分かれます。七ツ石小屋にもご挨拶していきたかったけど,今回は不義理をして下の巻き道に入りました。ここからはできるだけちゃっちゃと行きましょう。16時33分のバスには問題なく間に合うでしょう。
巻き道から「登り尾根」の登山道に合流し,なおも下ります。谷を挟んで隣り合う「アカザス尾根」の紅葉がきれい。
「堂所」を過ぎると道は緩やかになります。登山道はよく整備されていて歩きやすいですが,谷川が切れ落ちているところもあります。つまづいたりしないように注意しながら,ずんずん下ります。
途中,杉林から照葉樹林帯に入ると,紅葉で周りがパァッ!と明るくなります。なかなか楽しい (^◡^)
そして15時40分,小袖の登山口に出ました!
雲取山は鬼滅の刃の聖地
ところで雲取山は,「鬼滅の刃」の主人公,竈門炭治郎と禰豆子の出生地という設定になっているようです。その意味では「聖地」なんですね。
実際,登山口には丹波山村がたてた,こんなのぼりが (^ ^)
うん,なかなか楽しい。
登山口から鴨沢バス停へ,もう少し下っていきます。ちゃっちゃと降りてきたせいか,予定よりも一本早い,16時03分のバスに間に合ってしまいました。ラッキー。
そのままバスに乗って奥多摩駅へ帰還と相成りました。おつかれさま!
おわりに
秋の雲取山。テントでお酒を飲んだりしながらのんびりまったりできました。また紅葉が予想以上にきれいで楽しめました。
のんびりしすぎて七ツ石神社に行けなかったのは残念でしたが,またの機会に。
また下山後に知ったのですが,この日は七ツ石神社の祭礼の日で,麓の小袖集落で集まりがあったそうです。七ツ石神社の小屋番さんもそちらに参加していたとか。そんなお話も,機会があれば聞いてみたいです。
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