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【400年ぶりの天文ショー】木星と土星の接近を写真に撮りました!

木星と土星,400年ぶりの大接近

今月,西の空では木星と土星が大接近しています。最接近は21日,ちょうど冬至の日で,その間隔はわずか0.1度!満月の直径が約0.5度ですから,その5分の1まで近づくということです。

木星と土星がこんなに近づくのは400年ぶりとのこと。

惑星は全て,地球から見ると黄道上を動くのですが,土星よりも木星の方が太陽に近い軌道を回っていて公転周期が速いので,土星を追い越していくように見えるんですね。

最接近の前後,この2つの惑星を,何度か写真に撮ってみました。

12月17日 三日月と木星,土星の競演

最接近の4日前,12月17日は西の空に三日月がかかり,木星,土星とともに輝いていました。

とてもきれいな光景。この時カメラと三脚を持ち歩いていなかったのがとても残念です。一応スマホで一枚撮りました。

クリスマスツリーと三日月,木星と土星。

クリスマスツリーと三日月と木星,土星

クリスマスツリーと三日月と木星,土星

場所は仕事先の三鷹市某所。見る人が見たら「あー,あそこだ!」ってわかるところです (^◡^)

スマホの写真ですが,地球照も写っています。せめて「望遠レンズ」のついている iPhone pro だともう少しきれいに写ったでしょうかね。

12月21日 最接近の日

最接近の日。うちのベランダからだと西の空は建物に遮られて見えないので,望遠鏡を持って近くの河原へ行きました。とは言ってもうちから100 m くらいですが。

16時半くらいから空が暗くなってきて,西空低いところに木星と土星が見えてきます。近い!注意してみないと,そこに2つの星があるって気づかないくらいです。

さっそく望遠鏡を向けてみましょう。天体望遠鏡の視野に2つの惑星が入ってるって,なかなかすごい光景です。倍率を150倍に上げても同一視野に入ってる!

望遠鏡の接眼レンズに iPhone を当てて,写真を撮ってみます(コリメート撮影といいます)。

木星と土星の最接近

木星と土星の最接近 12月21日

11 cm反射望遠鏡,倍率45倍,iPhoneコリメートで3枚撮ってスタック,その後トリミング。望遠鏡の視野では上下逆さまに見えていますが,実際の向きに合わせて写真を180°回転させています。

土星の輪もかろうじてわかる程度に写りました。…目視ではもっとくっきり見えているんですが,気流の影響と望遠鏡の振動のためにちょっとぼんやりしています。

なお露出は土星に合わせています。木星が白とびしていますが,木星の縞模様がわかるようにすると土星とガリレオ衛星が写らなくなっちゃうんですよね…。

木星のガリレオ衛星は,左からカリスト,ガニメデ,イオ,エウロパです。

木星と土星の最接近

元の写真をよーく見ると土星の衛星,タイタンもうっすら写っていますが,縮小するとよくわからないですね。

天体望遠鏡+iPhoneで写真を撮る方法はこちら ↓ 

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木星&土星は18時を過ぎると地平線近くまで高度を下げ,観測が難しくなってきます。…低空は気流の影響が激しく,星像が陽炎のように揺れますからね。それに周りは住宅地ですから,この時間帯に望遠鏡を水平にして覗いていると通報されかねません (^ ^;)

そんなわけで望遠鏡は撤収です。その前に,空高く輝いていた月を一枚撮りました。

12月21日の月

12月21日の月 反射望遠鏡+iPhone

上弦の少し手前くらい,月齢はだいたい6.5あたりでしょうか。

12月22日 最接近の翌日

最接近の翌日も良く晴れていました。木星と土星はまだ非常に近く,引き続き望遠鏡の視野に同時に入ります。前日と違うのは木星が土星よりも東(左)側に来ていること。つまり天球上で木星が土星を追い越したわけですね。

この日は先に月を一枚撮りました。ちょうど上弦の月。まだ空に明るさが残る中,欠けぎわに「月面X」も見えています。

上弦の月

12月22日 上弦の月

さて,本命の木星と土星です。21日と同じく反射望遠鏡とiPhoneで撮影します。8枚撮ってスタック&トリミング。前日よりも気流の影響がありましたが,まあなんとか土星の輪もわかるでしょうか。ガリレオ衛星はガニメデとカリストのみ見えています。イオとエウロパは木星本体と重なっているようです。

12月22日の木星と土星

12月22日の木星と土星

他にα6400+望遠レンズでも撮ってみましたが,望遠鏡を使った撮影の方がよく写っているようでした。

この日も18時近くなって,2つの惑星の高度が低くなったところで撤収します。

 

おわりに

最接近の前後は好天に恵まれ,珍しい天文ショーを良い条件で観測することができました。なかなか面白かったです。もしかしたらこれ以降も何日間か,木星と土星の位置関係を写真に撮って,この記事に追加するかもしれません。

木星と土星を見つけられるかな?

iPhoneで撮影。木星と土星を見つけられるかな?

Twitterのタイムラインを見ていると,大型の望遠鏡を使った見事な写真が流れています。それに比べるとしょぼいですが,まあこれも一つの記録にはなるでしょうか。

さて次は…西暦4008年11月2日の明け方に,「木星による土星食」(木星が土星を背後に隠す現象)が見られるようです。しかも日本は好条件だとか。この現象は紀元前4927年以来,約9000年ぶりだそうです。いやあ,楽しみだなあ! (^ ^;;)

 

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(やっぱり天文年鑑2021年版の表紙はネオワイズ彗星なんですね)