野鳥との出会いを求めて,近所の公園や河原を散歩する日々。ある日河原を歩いていたら,タシギに出会った話です。
あれは…タシギ!
河原を歩いていると,細長いくちばしを持った鳥がのんびり歩いているところに出会いました。
あの体型は,シギの仲間ですね。実際この河原では,時々水辺にイソシギがやってきます。
でもこいつは水辺に行く様子はなく,水路の泥地に沿って,歩き回るばかり。
そうこれはタシギ。シギの仲間ですが,海岸や砂浜に行くことはなく,田んぼや池畔の泥地を好むようです。
ここでこいつに出会ったのは初めて。珍客…なのかな?
体の模様とフォルムが落花生みたいに見えないこともない。尾羽にオレンジ色のワンポイントが入っているのがチャームポイントでしょうか。
タシギは冬の渡り鳥
タシギはユーラシア大陸北部や北アメリカ大陸北部に生息し,冬になると日本にやってくる渡鳥のようです。体はなんだか丸っこくて重そうに見えるけど,遠いところから飛んできてるんですねえ。
でも河原では,身軽に飛ぶ様子を見せてくれません。のんびりした調子で歩いているばかり。
でっかい足でのしのし歩く様子は,ちょっとクイナを連想してしまいます。
時折泥地をつついては,食べ物を探しているようです。
タシギは美味しい!?
タシギは,フランスでは食用にされ,狩猟の対象となっているそうです。Wikipedia を見ると,大日本猟友会が出している"狩猟読本"に「骨が柔らかくその食味は正に焼き鳥の王者である」って書かれてるとか。焼き鳥の王者…(^ ^;)。
またタシギの英名は "Common snipe"。「スナイプ」という言葉は,タシギ猟が語源になっているという説もあるようですね。ゴルゴ13も時々タシギを撃ってるんだろうか…。
心なき 身にもあはれは 知られけり…
新古今和歌集に,西行法師によるこんな歌が収められています。
心なき 身にもあはれは知られけり
鴫立つ沢の 秋の夕暮れ
現代文に訳すと,
「(俗世間から離れた私のような)趣を理解しない身であっても、しみじみとした趣は自然と感じられるものだなあ。シギが飛び立つ沢の夕暮れよ」
といった意味になるようです。
出家した西行が,シギが飛ぶ秋の夕暮れにあはれを感じている様子ですね。
この歌の「鴫」は沢から飛び立っていることから,タシギのことではないかと言われているようですね。
野鳥にも,人との関わりを通したいろんな謂れがあって,面白いですね。
野鳥と人の暮らしの関わりといえば,こんなのも↓
おわりに
野鳥との出会いを求めて歩いていると,時々思わぬ珍客に会えるものですね。面白いです。
これからますます寒くなっていきそうだけど,渡りで日本にやってきた鳥さんたち,ゆっくりしていってね!
こちらも見てね